『イブグリース』は中等度から重度のアトピー性皮膚炎に
効果を発揮する生物学的製剤です
イブグリース(一般名:レブリキズマブ[遺伝子組換え])は、アトピー性皮膚炎の病態に関与する『IL-13』を選択的に阻害することで、中等度から重度のアトピー性皮膚炎患者に効果をもたらす生物学的製剤(ヒト化抗ヒトIL-13モノクローナル抗体製剤)です。
イブグリースの働き
アトピー性皮膚炎の病態には遺伝的素因、環境、皮膚バリア障害や2型炎症反応を主体とする免疫学的異常などが関与しています。中でもIL-13は2型炎症反応において重要な役割を果たすサイトカインであると考えられており、IL-13受容体に結合し、炎症を促進し、皮膚バリア障害、痒みなどを引き起こします。
イブグリースは、IL-13に結合することにより、IL-13受容体複合体(IL-4Rα/IL-13Rα1)の形成を阻害し、IL-13シグナル伝達を特異的に阻害し、皮膚のバリア機能を回復させ、炎症、痒み、皮膚肥厚などのアトピー性皮膚炎の症状を軽減します。一方、IL-13受容体α2サブユニット(IL-13Rα2)に対するIL-13の結合は阻害しないとされています。
アドトラーザ(一般名:トラロキヌマブ)も同じIl-13 抗体ですが、アドトラーザはIL-13がIL-13受容体複合体(IL-4Rα/IL-13Rα1)とIL-13Rα2両方にくっつくのをブロックします。
イブグリースの適応条件
- ステロイド外用剤やプロトピック軟膏などの既存治療では十分な効果が得られない成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児アトピー性皮膚炎
イブグリースの治療の流れ
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Step01
- まずは診察を受けていただき、適応と判断されれば、次回のご来院予定を決めて投与開始となります。
- 受診当日は紹介状、お薬手帳や現在使用中の治療薬の分かるものを必ずお持ち下さい。
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Step02
初回及び2週間後
- 1回2本(500mg)を皮下注射します。
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Step03
4週以降
- 2週間に1回、1本
- 状態に応じて、4週以降は4週間隔での皮下投与が可能となり、治療負担の軽減などのメリットがあります。
イブグリースの投与スケジュールのイメージ
※左右にスクロールさせてご覧ください。
イブグリースの薬剤費
- 下記の他に初診料、再診料、処方箋料などが発生いたします。
- 薬剤費は薬価の改定により変更される場合があります。
- 3回目以降は症状に合わせて2週間間隔または4週間間隔の投与になります。
自己負担額 | 初回 (2本) |
2回目 (2本) |
3回目以降 (1本) |
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10割 | ¥101,564 | ¥101,564 | ¥50,782 |
3割 | ¥30,469 | ¥30,469 | ¥15,235 |
2割 | ¥20,313 | ¥20,313 | ¥10,156 |
1割 | ¥10,156 | ¥10,156 | ¥5,078 |
高額療養費制度等について
イブグリースの治療で効果を感じられている方は多くいらっしゃいますが、相応の治療費が必要となります。
幾つか助成制度がありますので、下記のリンク先をご参照ください。
厚生労働省 高額療養費制度について
付加給付制度
企業の健康保険組合や共済組合などによっては独自の給付制度が設けられ、1ヵ月の自己負担額の上限額が高額療養費制度よりも低く設定されていることがあります※。
※ 企業の健康保険組合や共済組合などによって設定されている上限額は異なります。組合が設定した上限額を超えていれば、高額療養費制度の上限額に達していなくても付加給付の対象となります。
自治体による助成制度
各市区町村で内容は異なりますが、「子ども医療費助成制度」や「ひとり親家庭等医療費助成制度」などの助成制度があります。