『ミチーガ』はアトピー性皮膚炎の
かゆみ抑制効果が期待できる生物学的製剤です
ミチーガ（一般名：ネモリズマブ）は、アトピー性皮膚炎のかゆみを誘発するサイトカイン『IL-31』をターゲットとした生物学的製剤（ヒト化抗ヒトIL-31受容体Aモノクローナル抗体）です。
アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹を中心とする慢性の皮膚疾患です。
かゆみによる掻破は、皮膚の症状を悪化させるとともに、バリア機能が弱くなり、さらに炎症やかゆみを増幅させるという悪循環（イッチ・スクラッチ・サイクル）を生み出し、生活の質を低下させる要因となり、仕事や学業における集中力の低下や睡眠障害などを引き起こします。
アトピー性皮膚炎のかゆみに対しては、抗炎症外用薬の併用のもと、抗ヒスタミン薬などが用いられますが、既存治療ではかゆみを十分にコントロールできない場合があります。
ミチーガはIL-31とその受容体の結合を競合的に阻害することで、既存治療で効果が不十分なアトピー性皮膚炎のかゆみを抑制する効果が期待されています。
ミチーガの働き
ミチーガは、アトピー性皮膚炎のかゆみを誘発するサイトカインであるIL-31に着目した薬です。
IL-31は、Th2細胞から産生されるサイトカインで、末梢神経に発現するIL-31受容体に直接作用することでかゆみを誘発し、末梢神経を表皮付近まで伸ばしてかゆみ過敏状態にします。さらにIL-31は各種細胞からサイトカイン、ケモカインの産⽣を誘導することなどにより、かゆみに加え炎症を引き起こし、⽪膚バリア機能の破綻にも関与するとされています。
ミチーガはこのIL-31受容体に結合することでIL-31の結合を阻害し、それに続くIL-31受容体のシグナル伝達を阻害し、IL-31で誘発されるアトピー性皮膚炎のかゆみを抑制します。
ミチーガの適応条件
- 13歳以上
- アトピー性皮膚炎に対してステロイド外用薬、プロトピック軟膏などの既存治療では効果を十分に得られない方
以下に該当する方は注意が必要です。主治医にご相談ください
- 妊娠中、または、妊娠している可能性のある患者さん。
- 授乳中の患者さん。
- 長期ステロイド内服療法を受けている患者さん。
ミチーガの治療の流れ
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step01
- まずは診察を受けていただき、適応と判断されれば、次回のご来院予定を決めて投与開始となります。
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step02
- 1本（60mg）の皮下投与
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step03
- 4週間間隔
可能性のある副作用
- 皮膚感染症（ヘルペス感染症、蜂巣炎、膿痂疹、二次感染）
- 上気道炎
ミチーガの薬剤費
- 下記の他に初診料、再診料、処方箋料などが発生いたします。
- 薬剤費は薬価の改定により変更される場合があります。
| 自己負担額 | 1本（60mg） |
|---|---|
| 10割 | ¥117,181 |
| 3割 | ¥35,154 |
| 2割 | ¥23,436 |
| 1割 | ¥11,718 |
高額療養費制度について
ミチーガの治療で効果を感じられている方は多くいらっしゃいますが、相応の治療費が必要となります。
幾つか助成制度がありますので、下記のリンク先をご参照ください。
子どもへの医療費補助制度
各自治体で、子どもに対する医療費助成制度が設けられています。
対象年齢、助成内容、申請方法が自治体により異なりますので、詳しくはお住まいの市区町村にご確認ください。
