『内服JAK阻害薬』について
JAK阻害薬は、免疫細胞の中にあるヤヌスキナーゼ(JAK)という部分に結合して、アトピー性皮膚炎のかゆみや炎症の原因となる炎症性サイトカインを抑えることにより、過剰な免疫反応を抑制し、皮膚症状や痒みなどを短期間で改善させる飲み薬です。早い人であれば、内服開始翌日から痒みがなくなる効果を実感して頂けます。

現在は、オルミエント、
リンヴォック、サイバインコの
3種類があります
現在、オルミエント、リンヴォック、サイバインコの3種類のJAK阻害剤があります。
オルミエントでは2歳以上、リンヴォックでは12歳以上かつ体重30kg以上の小児および成人、サイバインコでは、12歳以上の小児および成人が対象となります。
※左右にスクロールさせてご覧ください。
名称 (一般名) |
オルミエント (バリシチニブ) |
リンヴォック (ウパダシチニブ) |
サイバインコ (アブロシチニブ) |
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適応疾患 |
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阻害分子 |
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適応年齢 |
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副作用 |
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薬価 28日分の窓口負担 (3割負担) |
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内服JAK阻害薬の適応
- 中等度以上のアトピー性皮膚炎で、ステロイド外用薬やプロトピック軟膏などによる治療を6カ月以上行うも十分な効果が得られなかった方。
内服JAK阻害薬での
治療について
- 投与前に血液検査、胸部レントゲンを行い、投与して問題ないかを確認します。
- 主に、感染症の有無(結核、肝炎ウイルスなど)、白血球やヘモグロビン値、血小板値、 肝機能・腎機能障害の有無をチェックします。
- 投与中は定期的に血液検査や胸部レントゲン検査を行い、副作用の有無をチェックする必要があります。
内服JAK阻害薬の
可能性のある副作用
- 重篤な感染症(結核、肺炎、ニューモシスチス肺炎、敗血症、日和見感染を含む)帯状疱疹
- 好中球減少、リンパ球減少、ヘモグロビン減少、血小板減少 ・肝機能障害、B型肝炎ウイルスの再活性化
- 消化管穿孔、間質性肺炎、静脈血栓症など。
- 好中球数1000/mm3未満、リンパ球数500/mm3未満、ヘモグロビン値8g/dL未満になった場合、一旦投与中止します。
- その他の副作用として、上気道感染、気管支炎、単純ヘルペスなどがあります。
- 副作用の程度によっては、総合病院や大学病院へ紹介する場合がございます。
下記に該当する方は
投与に注意が必要です
- 腎機能障害または肝機能障害がある方
- 結核や感染症にかかっている方
- 生ワクチンを接種する予定のある方(投与開始直前および投与中は接種不可)
- 妊婦または妊娠している可能性がある方、授乳中の方
- 悪性腫瘍の経験がある方
- ヘルペスウイルス感染の既往のある方
- 免疫抑制薬を使用している方(局所製剤以外)
内服JAK阻害薬の薬剤費
- 下記の他に初診料、再診料、処方箋料などが発生いたします。
- 薬剤費は薬価の改定により変更される場合があります。
※左右にスクロールさせてご覧ください。
オルミエント (バリシチニブ) |
リンヴォック (ウパダシチニブ) |
サイバインコ (アブロシチニブ) |
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自己負担額 (28日分) |
2㎎ | 4㎎ | 15㎎ | 30㎎ | 100㎎ | 200㎎ |
10割 | ¥69,230 | ¥134,960 | ¥121,200 | ¥185,600 | ¥120,047 | ¥180,074 |
3割 | ¥20,769 | ¥40,488 | ¥36,370 | ¥55,690 | ¥36,014 | ¥54,022 |
2割 | ¥13,846 | ¥26,992 | ¥24,250 | ¥37,130 | ¥24,009 | ¥36,015 |
1割 | ¥6,923 | ¥13,496 | ¥12,120 | ¥18,560 | ¥12,005 | ¥18,007 |
高額療養費制度について
JAK阻害剤の治療で効果を感じられている方は多くいらっしゃいますが、相応の治療費が必要となります。
幾つか助成制度がありますので、下記のリンク先をご参照ください。